ミズノは21日、今年6月にも新開発の競泳用水着の販売をフランスとイタリアで始めることを明らかにした。
水着での欧州進出は初めて。昨年の北京五輪では、英スピードの超高速水着「レーザーレーサー」に惨敗を喫したが、19日まで開かれていた日本選手権では、着用した選手が3つの日本新記録を出すなど好成績をあげ、LRの4つと互角の戦いをみせた。
3年後のロンドン五輪に向け、スピードのおひざ元である欧州に乗り込み、リベンジを狙う。
販売するのは、15日に国内で先行発売した「SST−100シリーズ」。
表面にポリウレタンのパネルをはり付け、水の抵抗を低減するLRと同じ手法を採用。
さらにパネルの位置を工夫するなどで浮力を高め、下半身が沈み込まないようにした。
日本選手権では、所属契約を結ぶ寺川綾選手らが着用。
寺川選手は北京五輪代表選考試合でミズノ製を着用し落選したが、今回は背泳ぎ五十、百、二百メートルで3冠に輝き、今年7月にローマで開かれる世界選手権代表に決定。
「支えてくれた人に感謝したい」と、涙の復活を果たした。
新型の好成績で自信を深めたミズノは、欧州でも攻勢をかける。
進出に合わせ、北京五輪200メートル自由形金メダリストで、モデルもこなすイタリアの人気スイマー、フェデリカ・ペレグリニ選手とアドバイザリースタッフ契約を締結。
同選手は水着の着用に加え、宣伝広告や水着の開発でも協力する。
仏伊では、ミズノのシューズなどを販売するスポーツショップなどで、6月から来年3月末までテスト販売を行い、4月から本格販売する計画だ。平成22年度に年商2億円を目指す。
ミズノは、スピードと国内販売のライセンス契約を結んでいたが、19年5月に関係を解消し、自社ブランドの展開に乗り出した。しかし、北京五輪前に投入されたLRが世界新を連発。
日本水泳連盟が使用契約を結んでいたミズノなど国内3社以外の水着の着用を認める異例の展開となり、ミズノはスポンサー契約を結ぶ北島康介選手がLRを選び、アテネに続く2冠を達成するという“屈辱”を味わった。
世界のトップ選手が五輪などで用具を使用し活躍すれば、その宣伝効果は計り知れないだけに、スポーツメーカー各社は開発レースにしのぎを削っている。
ミズノは「多くの日本選手が国産水着で世界と勝負したいと言ってくれている」と自信満々。同社は世界的な景気後退で主力のゴルフ用品の販売が低迷し、21年3月期に6年ぶりの最終赤字に転落する見込み。話題性の高い競技用水着でミズノブランドの知名度アップを図り、業績反転に弾みをつけたい考えだ。



